世界の人びとのためのJICA基金(独立行政法人国際協力機構)

小規模農家によるコーヒー生産のための加工・運営指導プロジェクト(2019年度 終了しました)

JICAは国際協力に関心のある市民、法人・団体からの寄附金「世界の人びとのためのJICA基金」を財源に、途上国の人びとに直接届く支援を実施しています。2019年度、マナラボは、貧困や飢餓に苦しむ世界の人びとを支援することを目的としているこの基金からの助成を頂いています。

フィリピン共和国 / ベンゲット州カパンガン町サグボ村を対象に、サグボ村のダイヨコン農業組合が、トレーニングを通じ、当事業で支給されるコーヒー収穫後の加工・乾燥に使用する小型機器の管理方法および運営実務を学び、良質なコーヒー生豆を生産できるようになること、組合が共同して加工・乾燥したコーヒー豆を、適切な価格で市場に販売し、組合員が安定した収入が得られるようになることを目指しました。

貨幣経済のために森を切り開き野菜畑に転換してしまうのではなく、森のなかにコーヒーの木を植えるアグロフォレストリーを推進し、森の保護と自然資源活用を両立し、森を保全することにより地域の山岳先住民の文化を保全することが目的です。ルソン島の現地環境NGOのコルディリエラ・グリーン・ネットワーク(Cordillera Green Network)をカウンターパートとして事業を実施しました。

①施設で使用する機器の導入:ダイヨコン農業組合の珈琲栽培農家が協働で使用する珈琲の実の収穫後の加工に必要な機器と資材(皮むき器、水タンク、洗浄と発行に使う容器、乾燥箱、乾燥台用スクリーン、湿気除けプラスチック製透明シート、ネット)を提供しました。

②加工技術トレーニング :2019年11月19日、21日、22日の3日間、日本からコーヒー栽培技師の山本博文氏と、トリニダード町在住の国際的コーヒー香味品質評価の有資格者(Qグレーダー)であるLily Jamias氏を招聘し、サグボ村の二つの農業組合を対象に、コーヒーの品質を向上させるための収穫後の加工方法の技術指導を、座学とワークショップによって行いました。機器と資材を支給したダイヨコン農業組合に所属する小規模農家のメンバーが共同でそれらを使用する運営システムづくりについても支援を行いました。4つの加工所でメンバーたちが収穫する曜日を決め、その日に加工所に収穫したチェリーを持ち寄り、共同で機器を使って加工作業を行うこととした。各作業所ごとに、品質管理者を1名選出した。また、ダイヨコン組合として1名の品質管理の総責任者を選出した。

③組合共同運営のための講習: 2020年1月23日 協同組合開発機構(Cooperative Development Authority=CDA)バギオ支局のMafrtin Manodon氏とFrancis Castro氏を講師に迎え、フィリピン共和国の法律に定められた協同組合についての基礎知識についての講習会を開催した。協同組合の役割、目的、資金調達、運営方法、役員の役割、ガバナンスなどについての講演ののち、質疑応答が行われ、参加者から多くの質問が寄せられました。2020年2月27-28日には国際組織Fairtrade Network Asia& Pacific Producers (NAPP)のNatasha Erika Jane Siaron氏を招聘し、フェアトレードの仕組み、認証取得のマーケティングにおけるメリット、認証申請のための組織の条件、現在の組合の現状と課題評価、組合が抱える課題解決の方法など、参加型のワークショップを行いました。

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