質問回答 トリップ3「アンデスの自然・神殿のひみつ」2022年12月11日 地球たんけんたい@京都

みんなで世界を旅しよう!2022地球たんけんたい⑪ トリップ3「アンデスの自然・神殿のひみつ」(京都大学東南アジア地域研究研究所・2022年12月11日)は、午前の部・午後の部ともに実施完了!

参加者から寄せられた「探検中に効けなかった質問やわからないこと」への回答です!

 

① 世界の1/10の黄金と関先生から聞きましたが、具体的にどれくらいの価値がありますか?

アンデス文明全体でどのくらいの価値があるかというのは正直言って計算できません。というのも、文化遺産や古美術の経済的価値は、1グラムいくらという換算ではないからです。

ただし、インカ帝国を滅ぼしたスペイン人征服者のフランシスコ・ピサロは、生けどりにしたインカ最後の王であるアタワルパが命と引き換えに申し出た、いわゆる身代金(みのしろきん)を受け取りました。

この量は、文書に記録されていて、5570キログラム、現在の価値で470億円くらいにあたります。全部融(と)かされました。

 

② アンデスの人たちが普段どんな物を食べて暮らしていたのか、気になりました。

ワークショップの最初ででてきたトウモロコシならば、茹でてそのままたべたり、一度干した後で、煎(い)ったり、ゆで直して食べます。ジャガイモも茹でて食べます。肉も煮込んだりします。魚もマリネ、フライ、煮込みで食べます。ペルー料理でネット検索してみてください。

日本料理と同じくらいたくさんの種類の料理があり、世界中の料理人が注目しています。

 

③ 暑さはどれぐらいか。アルパカは、なんでいるのか 

赤道に近い国なのに、海岸や山は、それほど暑くはありません。冬(6月~9月)は、11度くらまで下がり、けっこう寒いです。ペルーの沖を流れている海流が寒流(水温は17,18度)だからです。

でもアマゾンの森は、さすがに暑いですよ。日本の夏みたいに湿気があります。

アルパカやリャマは、ラクダの仲間ですが、人間がアメリカ大陸に現れる前(1万4000年よりも前)には、北アメリカ(米国やカナダ)にいました。そこから、南アメリカや、逆にアジアの方に広がっていったのです。

人間が後からやってきて、最初は槍(やり)で狩猟していたのですが、だんたんと飼い慣らすようになったのです。それは今から4000年前頃です。

 

④ もっと現地の言葉の話をききたかった 

多くの人が話しているのはスペイン語です。スペインのスペイン語とは少し違いますが。

もともと多様な言葉を話していたと思われますが、インカ帝国時代にケチュア語が公用語として普及しました。今でも、ケチュア語を話す人たちはたくさんいます。

 

⑤ 神殿を壊すときにどれくらい時間かかるのか。

結構かかると思います。壊すのも造るのも儀式の一つだと考えています。ですから壊しながら造っていくこともあったと思います。その場合は何十年もかかって壊し続けたのかもしれません。

⑥一番有名な神殿を、写真で見せてほしかった。どんな構造になっているか。

(次回のワークショップでみてみようね)

⑦ハムスターを食べ物として、飼育しているのか、自然にいるのを狩ってるのかなど、アンデスの人達の食事が気になった。

クイ(食用モルモット)は、家の中で飼っています。台所の炉のあたりに放し飼いにしていたり、飼育専用の部屋や、ケージを用意することもあります。

 

⑧ 壁に貼った写真のなかにラマみたいな動物がいた。あれもアルパカですか? 

アルパカの写真もリャマの写真もあったと思います。アルパカの方が毛がふさふさとして豊かで、リャマに比べて身体が小さいです。

(回答:関雄二 国立民族学博物館名誉教授)

キャスト:関雄二、園田浩司、矢野原佑史、渡邉裕史、渡辺美帆子、山崎嘉那子、荻野なつれ、飯塚宜子

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